白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
研磨くんの言う事は当たってる
何もなかったかのように
及川さんと接する事は簡単じゃない
けど…
「多分、これから先
及川さんはクロと同じくらい
重要なポジションにつくし
東京(コッチ)に来る事も
多くなると思うんだ
下手したら…」
『大丈夫だよ
私は裏方だもん。
主要メンバーで関わるのは
赤葦君くらいだし…
約束したの
鉄朗がこの仕事に成功したら
仕事場の皆に二人の事を発表して
…結婚しようって
その大事な仕事を
私も微力ながら支えたいの
一緒に成功して
一緒に幸せになろうって
鉄朗も行ってくれたから』
鉄朗から離れたくない
自分でも言った様に
私は裏方で
誰が私のポジションで仕事しても
鉄朗達には何も変わらないと思う
でも、ね。
一番近くで鉄朗が
頑張る姿を見れるのは
このポジションだけなの
他の人に…任せたくない
「…そう、だね。
クロも姫凪から
他の人に変わったら
ヤル気半減してポカしそうだしね」
研磨くんが黙る私の頭を撫でて
"分かった"と繰り返す声が苦しい