白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
時々見せるイタズラな雄の顔も
『駄目ですぅ
真面目なお勉強教えてクダサイ』
「人を不真面目みたいに…
アッチも至って真面目に
教えてマス」
戯けて膨れる子供っぽい顔さえも
可愛くて愛しくて
『…ずっと一緒なんだから
これからユックリ教えて…ね?』
ドキドキしてキュンキュンして
胸が騒がしくて仕方ないよ
「本当にお前はァ…!
どこまで本気にさせる気だよ
…約束な?
ずっと一緒…」
私の小指に自分の指を絡めて
軽く振って
「ぉーし!指切った!
んじゃ、真面目モードに切り替えるか!
勉強道具出しとけよー」
ネクタイまで締めて
髪の毛の乱れを整える
『…フフッ!真面目過ぎて
鉄朗っぽくないね』
「親への印象は大事なんですぅ!
"娘さんを僕に下さい"って
言う日の為になァ!」
『…そだね!
うちの親厳しいから
今からポイント稼がないと…』
「え!?まじ?!」
『うそ!大丈夫だよ
私が選んだ人だもん
親も鉄朗を好きになるよ』
遠い未来の話を
まるで疑わず話した