白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
『わ、私も!
ずっと側に居たいよ!
本当の本当に…ずっと…』
「…その"ずっと"は
俺が考えてる未来に合意してくれてるって
考えて良い?」
『もちろん』
「やった~…
よーし、今から指輪の為に
貯金しよ…
楽しみにしてろよ?
給料三ヶ月分より
スッゲー指輪用意するから
…とりあえず姫凪の
母ちゃん達には嫌われない様に
紳士な鉄朗クンで居ないとな!」
気の早いプロポーズじみた台詞に
照れ笑いしながら
私の服を直し
「親、何時に帰ってくるんだっけ?
早めに証拠隠滅しねぇと
宿題でもやっとく?」
いっぱいになったゴミ箱から
情事の痕跡を片しながら
わざとらしく机の上に
教科書を並べる
大きな背中焦ってて
いつもは冷静な顔には
少し余裕がない
今まで知らなかった鉄朗の
いろんな面が見れて
身体の力は抜けたままだけど
頬の筋肉は笑顔を作る為に
シッカリ機能する
「なァにニヤニヤしてんですかァ?!
とろけた顔のままで居たら
また襲っちまうぞー
テツロークンは準備万端でしか
ないんだからなー」