白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
『…気持ちよくない…デスカ?』
さっきの感触とは遠いソレに
ドンドン落ちて凹んでいく気持ち
止まる手の動き
『…ごめんなさい
あの…下手くそ、で』
溢れそうなる涙…を、止めた
『あれ?なんか…』
手の中で熱くなっていく塊
さっきより微かに硬くなってる
自身に戸惑って顔を上げると
「…下手くそ…なもんかよ
上手すぎてムカつく…」
真っ赤になったクロの顔
『え!?上手い?!』
"それはウソ"と言うより早く
「…煽り方、ヤバい。
アイツの事もそんな風に
煽ってたと思うと
クソ妬けるンですけど…
って!かっこ悪ぃ…
すげぇ女々しくね?俺…」
眉をハの字にして
ガシガシと頭をかくクロ
情けないと苦笑いを漏らす顔に
愛しさが湧き上がって来て
『カッコ悪い?なんで?
ヤキモチとか…私もだし
他の子がクロに気持ち良い事してたのも
クロが他の子にしてたのも
めちゃめちゃ妬いてるよ?
それは駄目な事?
負けたくない…って思うのはヘン??」
止まってた手は
クロの自身を握ってまた動き始める