第4章 消せない昔、消えない今（後）

私の言葉に
一瞬目を丸くして

「知らねぇかんな？
俺…の我慢も
そろそろ限界なんだからな」

取ってた距離を一気に詰めて

フワリと私を持ち上げ
ベットに落として抱き締める
熱い身体にしがみつき
スリスリと擦り寄ってみる

「姫凪ちゃん…
どうしたんですかァ…？
甘え方…ヤバ過ぎだから。
仔猫みてぇな…。
スゲェ食い付きたくなる、良い？」

髪の毛を撫でる指を首筋に滑らせながら
強引に跳ね上げた顎

「嫌なら言えよ？
一回しちまったら止まらねぇから」

頬に落としたキス
上目遣いで見つめる瞳

嫌？そんなわけない。

『…シテ欲しい…』

怖くて拒否った時もあった
濡れなくてクロへの気持ちに
不安を覚えた日もあった

だけど、クロを嫌だと思った事なんか

「！！？
クッソ！まじで知らねぇかんな！
研磨に来んなってLINEしてて良かった…
姫凪ちゃん…好きだ…」

『わた、しも…』

一度もないよ