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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第4章 消せない昔、消えない今(後)


それをあっさり受け入れ
私の手を引くクロ

クロは今のままで十分なんだ
私だけが欲張りになってるだけ?

繋いだ手が熱いのも
胸がドキドキして苦しいのも
私だけなの?

不満ばかりが胸を埋めていく
クロの行動も言葉も
全部全部
私を慮る気持ちから
出たものだったのに

「姫凪ちゃん
何か飲むか?」

『要らない…』

何も要らないから

『クロ…なんか寒い…』

そんなに距離を置かないでよ

『あった…め…』
「まじか?!
俺の上着…じゃあ
暖かくないよな…
なんか服…探すから!」

慣れない煽り文句は
焦った声に埋もれて

更に距離を作ってしまう

手当り次第
手近な引き出しを開けるクロの
手を止めてしまった事を

『ちょ…!そこは…』

「へ?ここに入って…るの…か?
なんだ?ヒートテックのシャツとか…ぅっわ!」

激しく後悔

「こ、これ
パ、パンツ…?!
えらい可愛い柄…って!違う!!
見てない!見てないからな!
俺、暖かいコーヒー買ってくる!
大人しく寝てなさいよ!」
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