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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第4章 消せない昔、消えない今(後)


『クロ…手…!』

「俺が嫌なら帰るけど…」

『違う…くて…
なんて言うか…』

離れようと込めた力が抜けて行く
…だけじゃなくて

「顔、赤くね?
もしかして風邪か?」

近付く顔に動機が激しくなる

「姫凪ちゃん?
え?まじでチョット熱いんだけど…」

コツンと当たったオデコに
熱が集中して
ドキドキが大きくなり過ぎて

「…今日は家、誰か居る?」

『今日は…まだ…』

声は上手く出せないのに
気持ちだけが溢れだしていく
変な感覚が久々に
身体を巡っていく

この感覚、知ってる
あの日、クロの部屋に行った時と
似てる…

「まじかァ…一人で置いて行くの
心配だけど
二人きりは…嫌だよなァ…
研磨…は出てこれねぇし
誰か安全そうな…ヤツ…
山本はウッセェし…」

『二人きり…嫌じゃない』

クロと一緒に居たい
どこにも行って欲しくない…
側に居て欲しい

「え?マジで言ってる?」

『うん…嫌なんか
思ってない…』

怖さも不安も
飲み込む気持ちが
止まらないよ…
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