第4章 消せない昔、消えない今（後）

「あぁ、そうですか…
で？こんな所でなにしてるの？
研磨は？家に居るの？」

「あ、あぁ…夜っ久んとリエーフが
押し掛けて来て…」

「へー、夜久も居るんだ
じゃあ私も行こうかなー
鉄朗送ったら戻って来る？
久々に遊んでよ
彼氏と別れて暇なのー！」

クロとアキナさんの
近い距離感にモヤモヤする

「はぁ？！友達と遊べよ！
わざわざコッチ来んな！」

「ケチですかァ？
別に良いじゃん
リエーフって子は知らないけど
夜久と研磨とは私も友達だし」

「いや、だからって…」

ハッキリ断らないクロにも
モヤモヤする

こんなに綺麗な人で
付き合う程、好きだったし
その上幼馴染なら
断る理由もないかもだけど

「駄目なの？
鉄朗冷たいね…
あんなに甘々だったのに…」

「わー！分かった！
勝手にしろ！もう喋んな！」

「やった！
じゃあ待ってるね！
帰りは私も送ってね！」

見事なくらい
相手のペースに巻き込まれてるクロに
クロを知り尽くしてる様なアキナさんに

モヤモヤ、ムカムカと
胸が煙たいような
変な感じがおさまらない