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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第4章 消せない昔、消えない今(後)


「やっと目が合った!
人見知りな人ー?
あ、私はアキナ
鉄朗の元カノでーす」

よぎった予想をあっさり肯定されて
更に言葉が出ない

この人の事を好きだったなら
私は全然タイプじゃないんじゃ…
即座に逸した目
固まったままの身体が

「おい!
あんまり変な事吹き込むな!
姫凪ちゃん、この子は
元カノと言うか…幼馴染と言うか…」

「なに濁してるの?
へーんな鉄朗~
で?この子ダレ?
彼女…な、わけないか」

ズシリと重くなる

この人の言う事は間違ってない
私は彼女じゃないけど
今、二人きりで歩いてて
それなのに彼女かも、って
思考にもならないとか
私ってそんなにクロのタイプから
かけ離れてるんだろうか…

「彼女…じゃないけども…
えっと、その…だな…」
『と、友達デス!』

口籠るクロの声を遮って
絞り出した声に
キョトンとするアキナさん

今まで言った"友達"って言葉の中で
何だか一番痛くて苦しい

友達で良いって思ってたのに
さっきから胸の奥が
ずっと変なの
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