白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
『い、言われなくても!
居ます…友達ですので…』
欲張りになってる事を
悟られちゃイケナイ
期待してもさせても
心が先走ってるだけなら
きっとまた身体は付いてこないから
隠し通さなきゃ。
大き過ぎてお互い同じタイミングで
吐き出した溜息に気付けず
平行線を歩く恋心を
微かに動かした
「あれ?鉄朗?
なにしてるの?」
高い声
「げっ…。
なんでココにお前が…」
「彼氏と別れてヤケ食いの帰り!
鉄朗も付き合ってよ
まだ食べたりない!」
「嫌ですぅ!
貴重な二人きりを邪魔すんな!」
「二人きり?誰…この子?」
私に落とした視線と
ぶつからないように目を伏せると
その人は
「…バレー部のマネ?
それとも親戚の子?
…ねぇ、聞こえてますかァ?」
しゃがんで無理矢理視線を合わせ
首を傾げる
反らせない視線の先
目に映ったのは
サラサラの髪の毛
色っぽい顔立ち
そして…大きな胸の
綺麗な女の人
もしかしてこの人って…