白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
私の想いも思考も掻き消す様に
クロが前を歩き耳を塞ぐ
『いや、だから…』
「友達で満足するから
そんなキツそうな顔すんな
一緒に居られんくなるのは
普通に廃人案件だって…」
いや、だから!
話を最後まで聞いてクダサイ!
本当は…本当はね?
クロの過去にも嫉妬して
薄く移った香りにすら
ドキドキしてるの
久々の二人きりに
心も跳ねてる
だから
「なんもしない。
約束はもう破らないから
安心してクダサイ」
そんな風に距離を置かないで…って
それは私のワガママなんだよね
その距離じゃ満足出来ないなんて
欲張ってまたあんな事になったら
それこそクロを傷付けて
『…心配してないデス
クロの事、信用してるから!
だから…』
「あー!そんな可愛い顔で見つめないで!
信用裏切りたくなる!
…なーんて、ウソデス。
信用されてるなら意地でも
我慢する…じゃなくて
元々紳士な黒尾さんですので!
隣(ソコ)に居て…クダサイ、ね?」
隣(ココ)に居られなくなる方が
辛い…良ね。