白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
そんな私を見て
「ガチで顔色悪ぃじゃん…
病院…は大袈裟か?
てゆっかココ、男密度高過ぎだな
ごめんな?気付かんくて」
クロは心配そうに頭を撫でてくれて
しっかり距離を取ってくれる
私を気遣う優しい態度に
ドキドキと同じくらい
ズキズキする
彼女にもこんな風に優しかったのかな?とか
本当に彼女出来ちゃったのかな?とか
入り過ぎた情報に心は乱れて
"大丈夫"すら声にならない
「無理させ過ぎたか
研磨、姫凪ちゃん送ってくる
スグ戻るから。
ほら、立てるか?
嫌かも知らんけど
とりあえず家まで我慢してクダサイ」
何も出来ない私の手を取って立ち上がらせ
「じゃあ送ってくる
15分で帰らんかったら
誰か送り込んでくれ
暴走はしないつもりだけど
前科モンだから」
研磨くんに小さく告げて私を連れ出した
『クロ…あのね…ホントは…』
クロがまだあの日を気にしてるのは
分かってた
私もまだ怖い気持ちは残ってるけど
本当は…
「あ~!分かってる!
思い出させてゴメン!
マジで大丈夫だから
もう怖い思いさせんし…!」
『ちょっと…クロ?!』