白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
『そんな眼差し要らない…
研磨くんの意地悪』
「仕方ないじゃん
クロの気に入られた自分を恨みなよ」
『他人事みたいに言わないでよ
地味で質素な学生生活を返して…』
「ハハッ、諦めるんだね
クロはしつこいから。
目を付けられたのが運のつきだよ」
ジトッと睨む私を見て
楽しそうに話す研磨くんに
「人を諸悪の根源みたいに
言わないでクダサイ…
LINEだと姫凪ちゃんが
見ないで帰っちまうって
脅したの研磨だろうがァ」
クロが飛びついて来て
長い髪をワシャワシャと乱す
「電話にしたら?って
言う前に走って行ったのクロじゃん!
髪の毛グチャグチャにしないでよ
チョット…前髪結ばないで
視界広いの落ち着かない!」
戯れる二人を見て
私も笑うけど
頭の中は二人の会話が
リピートされ
私得フィルターに通され消化されていた
クロは私に会う為に必死に…って
めちゃくちゃ愛されてる?!
…って、まさかね?
クロは私を友達だって言ったもん
私はそれが良いって頷いたもん
だから、それ以上は望まない
期待しちゃ駄目なんだ。