白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
深い深いモヤが晴れ
懐かしい風景と
「姫凪ちゃーん
今日の予定はどうよ?
俺ら部活休みなんだけど
遊びに行かね?」
懐かしい制服姿の彼の声が響く
『クロ…あの…LINEくれたら
そっちに行くのに…』
バレー部の主将で
背も高く人目を低く容姿の登場で
色めき立つ教室内の視線が
私に集中して痛い
「姫凪ちゃんに
会いたかったんですぅ
冷たい事言わないでクダサイ」
だーかーらー!
そういう事をサラッと言わないでクダサイ!
女子の視線が鋭さを増して
私の居場所は最早
折り紙の面積よりも狭いです
『行きます!行きますから!
とりあえず廊下へ…』
「なんで敬語?
敬語止めてって言ってんのに…」
『後輩なので!私は!
とりあえずこれ以上
騒ぎを大きくして
嵐の種を作らないで!』
クロの背中を押して
教室を出ると
「騒いでるのは姫凪だけだけどね」
金髪の長い髪を揺らしながら
「羨望の眼差しお疲れ様」
からかいがちに
私を迎える研磨くん