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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


"だから泣かないでよ"
そう付け加えたのを最後に
ドアは閉まった

ゴロリと寝返りを打ち
身体を丸めて
研磨くんの声を必死に
受け入れようと
言われた事を頭の中で繰り返すけど
上手く消化出来ずに
増える寝返りと溜め息

色々考え過ぎて眠いのに眠れない
悪循環なのは分かってるのに

いっその事
眠るのは諦めて
何か食べて覚醒してしまおうか

そう思ってベットから起き上がると

「姫凪、チャント寝れたら
クロが用意していった
ご飯食べさせてあげる
チャント寝ないと
おれが持って帰って食べるよ
うちの猫のご飯になっちゃうからね」

起き上がったのと同時に
ドアの向こうから響いた声

『それはダメ!』

見えてるの!?
怖いんだけど!?

寝た振りするつもりが
思わず応えてしまった私に

「やっぱり起きてる
ご飯食べたかったら寝なよ
案外良い夢見れるかもよ?
久々でしょ?
こんなに必死にクロの事ばっかり
考えるのとか
良い夢でも見て
笑って起きてきなよ
そしたらクロのクッソ味の濃い
ご飯食べさせてあげるから、ね」

呆れた声と笑い声が返って来た
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