白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
姫凪side
「マジでどうしたァ?
救急行くか?
顔色も悪いし身体も震えてるし
熱上がってくるやつじゃね?」
及川さんが帰って一時間
まだベットの上から
起き上がれない私を
心配して鉄朗が
声を掛けてくる
『平気だよ
ちょっと疲れが出ただけだから
寝てたら治るよ
それより木兎さんから
そろそろ連絡来るんじゃない?
私の事は気にしなくて良いから
行ってきて?』
本当は木兎さんや
その友達と出掛ける予定だった日曜日
もちろん私にその気力はないし
なにより
「お前を一人で置いて
行けるわけないでしょうが。
木兎の誘いは断る」
『大丈夫!
寝てれば治るから
家に居ても暇させるだけだし…』
一人になりたかった
鉄朗の顔を真っ直ぐ見れないのが
辛くて仕方なかった
「姫凪の寝顔見てるだけで
満足なんですぅ!
一人で寝たいなら
姫凪が寝るまで別の部屋に居るし
ジャレに来たりして
邪魔しねぇからさ
…心配で放っとけねぇんだ
素直に甘えてクダサイ」