白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
まさか
「無理してた…?」
俺のせい…?
俺の声に首を左右に振るけど
声はもう出てなくて
益々苦しそうに泣く姫凪ちゃん
どうしたら良い?
助けたいのに
何も出来ない
「…クロ!どうしたの?!」
バタンと開いたドア
パニックな脳に響いた研磨の声
「研磨…俺…!
いや、俺なんかどうでもよくて…
姫凪ちゃんが!」
ハッとして研磨に駆け寄ると
「…まさかと思ったけど
丁度いい具合ってないの?
…って、今はそれどころじゃないか
とりあえず服チャントしなよ
テツローくん見るのは合宿だけで
十分だから」
散乱した服を俺に投げ付け
「姫凪、落ち着きなって
息チャント吸って?」
雑誌が入ってた袋を
手繰り寄せ口元を覆う
膨らんでは萎む紙袋
まだ苦しそうな目元を
服を整えながら
見つめる俺に
「クロ、姫凪の服
着せてあげて
多分まだ自分でそこまで
出来ないだろうから」
研磨が淡々と話し掛けて来る
研磨の腕の中には
呼吸は落ち着いたものの
グッタリする姫凪ちゃんの姿