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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


抱き締めた腕に込めた力が

「待っただろ
俺なりに距離も時間も置いたつもり
…もう…待てな…ぃってええええ!」

ふくらはぎに走る激痛で緩み
俺はその場に蹲る

「研磨ァ!
おま…え、なにすん…
クソまじで痛ぇ…」

「姫凪が死ぬ」

蹲った俺を冷ややかに見つめる
研磨の言葉にハッとして
姫凪ちゃんの顔に目を凝らす

研磨が死ぬとか言うくらいだから
真っ青で泣きそうな顔してんだろうなって
思ってた………のに

「え?姫凪ちゃん?」

「布施の顔!
何色?!赤を通り越して紅!
つーか、めっちゃ可愛い顔すんのなー!
クロさんの事狙ってる?!」

『灰羽くん!止めて!!』

そうなんだ。
その顔は…アレだろ?
期待持ち過ぎてもおかしくないくらい
赤くて、可愛くて…

「なんでですかァ?
まさか図星?」

これは行かなきゃ、って
思う事を止められない

『…!!!』

返事はなくても
その表情は俺を浮かれさせ過ぎる
よし、やっぱりココは強引に行く!
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