白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「…遊ぼうって言ったら
どんな顔するのかねェ…」
しばらく更新されない
トーク画面を眺め
小さくつぶやく背中に
「どんな顔するかなんか
言ってみないと分からないのに
ほんっっとヘタレ」
キツイ声
「ぅわぁ!気配消して近付くな!
どうせヘタレだよ!
…俺が女だったらとか
最近マジで思う…」
研磨に軽く頭突きしながら
「男の俺は
友達にもなれんのかなァ…」
女々しく吐く言葉に
「…はぁ。
そりゃあ姫凪は今
男ってだけで警戒するだろうし
誘ってもホイホイ乗って来ない
性格が更に割増だけどさ
でも男ってだけでクロの全部を
無理になる様な子じゃないと
おれは思うよ?
愚痴くらい聞いてあげなよ
胸をビビる様なら肩
肩もビビる様なら指一本でもさ
貸せる場所はあるんじゃない?」
珍しく饒舌に語る研磨
「なんか…大人だな、研磨」
「クロよりはね。
おれ頑張るの嫌いだし
無理するのも嫌いだし
なんとかなるって
根性論なんか大嫌いだけど
モヤモヤ苦しんで
ウジウジ悩むだけで解決しないのは
それより質が悪くて嫌
その沼に人が沈んでるの見るのも
イライラする」