白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「研磨ァ、飯食いに行くぞー」
と、ある日の昼休み
たまには二人で昼飯を、と
誘ったくせになかなか来ない研磨を
教室まで迎えに行き
屋上に腰を下ろす
「はい、コレ。
母さんがクロの分も作った
皆のは無いから内緒だよ」
研磨の手から渡された
弁当箱を押し頂く様に受け取り
「二人でって言った理由ってコレ?
気にする様な小せえ連中じゃねぇのに
…まぁ、サンキュな~」
和風なオカズに箸を付け
勢い良く食い進めてる俺の手を
「で?姫凪とはどうなの?」
一瞬で止める研磨の声
「ど、どうって?」
「もうヤッた?」
「研磨くん!御昼からお下品よ
お上品な会話してクダサイっっ」
「お上品ってガラじゃないじゃん
顔も下半身も
で?どうなの?最近の二人は」
苦し紛れのオネェキャラも
一蹴されて、その上
「…察した。
せっかく姫凪がフリーに
なったのに何してんだか
クロってナリの割にヘタレだよね」
研磨の毒針に
口はパクパク酸欠状態
オブラートに包むって言葉を
コイツは知らないのか…。