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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「おい、姫凪
マジでどうしたんですかァ?
俺昨日やり過ぎた?」

研磨とオイカーくんが帰った後も
部屋から出ようとしない姫凪を

「コーヒー淹れようか?
飯…食う気分じゃないよァ…
あ!果物!
昨日色々買ったのに
全然食ってねぇじゃん?!
切ろうか?」

あの手この手で連れ出そうとするけど…

『…食欲なくて…ごめんね
鉄朗お腹空いてるよね…ごめん』

見事に惨敗

「いや、謝らんでも…
体調悪いと何にも食えんくなるもんな
てゆっか食えん事で
俺に気使って辛いなら家まで送るけど…」

ベットに沈んだままの姫凪の頭を
ユックリ撫でて
今にも泣きそうな瞼に口付けると

『…鉄朗の側に…居たい
帰りたくない…』

ポロポロと落ちる涙

「オイヨイヨイ!
まじなんだってんだ!?
泣くな、マジで!
姫凪、姫凪ちゃん?!」

慌てて抱き締める身体は
細くて少し震えてて
思わず思い出す

泣いてる理由も
慰め方も分からなかった
不甲斐ない

あの時の自分を___。
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