• テキストサイズ

白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


孤爪チャンの声を遮って
広い後部座席の端に身体を移動して
窓の外を眺める

悪…そうだよ
悪者は俺なんて
とっくに分かってる
アチコチ傷付けて孤立して
余計に寂しくなる事も

誰に相談しても
"目ぇ覚ませ"って呆れられて
岩ちゃんからは
言葉より先に
"バカ川!"ってゲンコツと
蹴りとバレーボールが
飛んで来る事も

誰より俺が一番分かってるんだよ

でも、それでも

「好きなんだよ、姫凪ちゃんが
どうしようもないくらい
惹かれて止まらないんだよ

行動を起こしたのも
悪足掻きしてるのも
正義とは程遠いよ
悪だって思うよ、俺もさ。

だけど…この気持ちまで悪だなんて
言わないで貰いたいね」

あの子を想ってしまうんだ
心があの綺麗な心を
強く強く欲してしまうんだよ

「…時間どうせあるんでしょ?
家寄っていかない?
思い出話聞かせてあげるよ
それでも姫凪が欲しいなら
もうおれは止められないから
好きにしなよ」
/ 1242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp