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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


冷静な顔の下で焦る俺を

「…なんかあったりしてって
思ったから
カマかけただけだったけど
……図星?」

見透かした様に黒い笑みを浮かべる
孤爪チャン

…こンのクソガキ!!
マジで焦ったんだからね!
バレてるなら誤魔化せないって思ってたけど

「性格悪いって言われるでしょ」

そうじゃないなら
しらばっくれる一択だよね
冷静さを取り戻せさえすれば
及川さんだって
演技の一つや二つ簡単なんだから。

大きく深呼吸をして
"知らないね、バーカバーカ"とか
はぐらかして
寝たフリでもしてやろうと思ってたのに

「ハハッ、そうかもね
…でもさ?」

車が止まった瞬間
のそりと助手席を立ち
後部座席へ移動して来る孤爪チャン

「なにさ?」

今更なにを言われても
へっちゃら…

「あんな事しておいて
何もなかったフリの上手い
及川サンよりは
質悪くないと思うよ?」

じゃないっ

この圧なんなわけ?
さっきまでの緩い空気は
ピンと張り詰めて
俺の喉を締め付けるみたいだ
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