白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
手が伸びては止まり
また伸びては止まる
欲しいよ、キミが
身体も心も
何もかもを手に入れたい
手に入れたいから
「早く行きなよ
犯されたくなかったらね」
『…最低…』
「そんな俺に感じたキミも
同じじゃないの?」
今は手を止める
『アナタなんか大嫌い!』
「どう思って貰ってもいいよ」
そう、どう思って貰っても良い
強がりなんかじゃない
本心だよ
忘れられるくらいなら
憎んでくれ
俺を憎んで俺の事ばかり考えて
俺しか見えなくなればいい
そうしたら
キミから俺が消えないだろう?
パタンと閉まったドア
ポツンと残された俺の目から
冷たい涙が流れる
なにやってるんだろう
喧嘩も多いけど彼女も居る
クロちゃんの事だって
岩ちゃんには敵わないけど
信頼してて大好きで
大切な仲間なんだ…
そんなクロちゃんの彼女のキミは
俺にとって
仲間以上になっちゃ絶対駄目なのに
頭で分かってるのに
心がゴネる