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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「服、直そう
自分で出来…そうにないね
大人しくしてね
何にもしないから、ね?
髪の毛…涙で濡れて絡まってる
ホントごめん、俺を…」

"嫌って、忘れてくれ"
そう続けようと思ったのに

「…いや、なんでもない。
次からは気を付けるから
避けたりしないで欲しい」

どの口が言うんだって
セリフが溢れる

困った顔をする姫凪ちゃんの頰を
撫でる手を

「お願い…
多分、俺…キミが…」
『あの!大丈夫です!
及川さんは悪くないです
きっと、お酒に酔ったのと
彼女さんと喧嘩して
気が滅入ってるから
つい、ですよね!
忘れますから!
全部…忘れます…
だから、それ以上言わないで…』

大きな声で止めて
無理して笑顔を作る

でも、その目の端からは
涙がまだ溢れてる

反則だよ、その顔

抑え込むはずだった
"多分、キミの事"
その後に続く言葉に
"なーんてね"なんて付け足して
安定の小さな胸のネタ振ったりして
気付かれない様に
するつもりだったんだよ

本当だよ?
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