白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
『私、そんな邪な気持ちで
相談に乗りたいと言ったわけじゃなくて
勘違いさせてゴメンナサイ…
私、鉄朗しか好きじゃないし
鉄朗としか…こういう事イヤで…
それなのに…こんな事に…』
「何言ってるんだよ…
姫凪ちゃんは悪くないじゃないか」
なんで君が自分を責めるのさ
たとえ俺が勘違いして
キミを口説いて
あんな事したんだとしても
俺を責めれば良いじゃないか
嫌がるキミを抑えつけたのは
俺なんだから
"彼女居るくせに"って
"チャラい人は嫌い"って
初めて会った時みたいに
敵意と警戒心バリバリに
俺を拒絶すれば良いのに
「ゴメン、怖かったよね
姫凪ちゃん…ごめんね」
キミは首を振って
乱れた服もそのままに
ただ泣くばかり
自分の行いに
ここまで胸が痛むのは
初めてかもしれない
ナナに…
もちろん痛むよ
ケンカしたからって
他の子にこんな事するなんて最低だ
でも、それより痛むんだ
キミを泣かせた事が…
胸をズキズキさせるんだよ