白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
なのに
『…私は、喧嘩しても
気まずくなっても
距離も時間も欲しくない…かも。
怖い…から。
例えチョットの時間でも
鉄朗が居ないのは…嫌だな…
及川さんは平気ですか?
彼女さんとの距離…辛くない?
本当は凄く寂しいんじゃないですか?』
返ってきたのは
驚く程シッカリしたこたえと
『いくら会えば元通りだって
確信してても
今は寂しいんじゃないかなって
…生意気言ってゴメンナサイ…』
俺を心配そうに見つめる眼差し
弱ってるからかな?
やたら可愛く見えるし
愛おしく感じる
「…全然余裕…だと思ってたけど
チョット…は、凹んでるかも
俺の事苦手なのに
優しいね、キミは…
ありがとう……姫凪」
近距離にある頬に手を伸ばし
「姫凪が彼女だったら
すぐ仲直り出来て
こんな凹む事なかったのかな」
細い顎をクイッと持ち上げる
俺が本気で凹んでるのが伝わったのか
暴れる事も嫌がる事もなく
心配そうに見つめるも
距離を取る言葉を探す様に
下がっていく眉毛