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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「ご、ごめん!
大丈夫!?
とにかく水…!」

カップを取り上げカウンターに置き
姫凪ちゃんの手を引いて
キッチンの中に駆け込む

勢い良く出した水が
指先で弾け
姫凪ちゃんのパジャマを
派手に濡らしてしまう

「うわっ!やば……ゴメ…ンなさい…」

水を細く出る様調節するけど
もう手遅れで
濡れてピタリと張り付くパジャマ
そのくせ全然冷えた様子のない指先
それなのに

『大丈夫です
あの、離して貰って良いですか』

水から、否。
俺から離れようとする手

「嫌だね。
ジッとしてなよ
今はそこまで痛くなくても
チャント冷やしとかないと
ヒリヒリして下手したら
痕になったりするんだからさ
ナナも昔さ…」

シッカリ握った手と
昔話で彼女とも
こんな事があったと思い出す
そして、さっきの電話も。

「…とにかく冷やしなよ
キミだって
痛い思いするのイヤでしょ
俺の彼女もドジでさ
料理中によーく火傷したり
指先切ったり
爪割ったり指先の怪我多いんだよね」
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