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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


やらかしたって思った時には
もう遅くて

〈仕事が忙しいのも分かるし
疲れてるのも分かるけどさ
話くらいチャント聞いてよ〉

冷える外の風より
凍えそうな受話器から漏れる声

〈…はぁ。
疲れてるんでしょ?
早く寝なよ徹
オヤスミ〉

「ナナ!ごめ…っ
そっちこそチャント聞けって。
はぁ…うまく行かないな…」

切れてしまった通話
掛けなおしても繋がらない

まぁ、そんなのいつもの事で
会えばケロリとしてて
抱き合って笑って愛し合う

分かってる
分かってるのに
なんでだろ
妙に心が寒いのは。

トボトボ部屋に戻り
リビングに向かうと
漏れてる明かり

「クロちゃん?」

結構飲んでたし
トイレのついでに水でも
飲みに来たのかと声を掛けながら
ドアを開けると

『ゴメンナサイ…
スグ戻りますから』

パジャマ姿の姫凪ちゃんが
キッチンの電気をパチンと消す

「いや、平気。
眠れそうにないからさ
ユックリどうぞ?
って、こんな時間に
キッチンで何してるの?」

もう一度明かりをつけて
姫凪ちゃんに近付く
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