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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


物音を立てないように玄関と
エントランスを抜けて闇に出る

折り返した電話は

〈もしもし、徹なにしてるの?〉

不機嫌な声に繋がった

「あ、ごめん。
クロちゃん達と盛り上がってて…」

〈ふーん…"達"って誰ー?
女の子居るんでしょ?
キャバでも行ったの?〉

「行ってないよ
クロちゃんとその友達と…
彼女だよ、クロちゃんの」

俺の声に不満気に唸り

〈やっぱ居るんだ、女の子…
気にいってるの?〉

オブラートゼロで突っ込んで来るナナ

「そんなわけないじゃん
興味ないよ、全然、全く
ナナこそ夕方電話に
出なかったよね?
なにしてたのさ」

チクリと刺さる最初の夜
後ろめたさを隠す様に
少しキツくなる口調で

〈ちょっと…忘れたの?
今日は友達と映画行って
ご飯食べるって話したじゃん…〉

更に不機嫌になる声

「え、そうだっけ?
ごめん…」

記憶を辿れば確かに
昨日寝る前の電話で
嬉しそうに映画の話をしてた
ナナの声を思い出す
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