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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「あぁ、悪ぃ…」
「ごめん…」

揃って頭を下げると

「別に、カートあったから
良いけど…。
ほら、及川サンは荷物持って
クロはカート直してきて
…早くしてよ、寒い。」

ツンとそっぽを向いて
携帯を弄る孤爪チャン

「研磨、姫凪は?
まさか迷子?!」

「心配し過ぎ。
秘書に電話でして
車回して貰ってる
早く戻って来ないと
置いてくよ?」

携帯の画面を見つめたまま
テキパキ指示を出す
孤爪チャンに何故か従ってしまう
俺とクロちゃん

ガラガラとカートを押す音が遠ざかり
重い荷物がより重くなる
嫌なツーショット

沈黙苦手なんだけどな
でも、話題なんかないし…

仕方なくクロちゃんから
取り上げたタバコをふかそうとすると

「ねぇ?姫凪は駄目だよ」

指の間がフッと寂しくなった

「え?」

「わざとでしょ?
姫凪に構って
クロ煽って…楽しいのは分かるけど
相手が悪い。
笑いで終わらなくなるから
この辺で止めときなよ」
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