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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


さっきかけられた煙を返す様に
クロちゃんの指に吐きかけ
自分の火を消した

そして

「どうなのさ?」

スキだらけの手元から
タバコを取り上げ
それをまた吸い上げる

「おい…ッ」

「手元がお留守だよ、黒尾クン
そんなんじゃ姫を護れないんじゃない?」

吐き出した煙がクロちゃんの
首元にかかり
締め上げる様に巻き付いて消えて行く

険しかった顔が更に険しくなって
まさに一触即発な
二人空気が

「痛っっ!!!」

鈍い音と激痛で破れた

俺の足にぶつかったのは
荷物をパンパンに乗せたカート
振り返った先には
長い髪の毛をハーフアップにして
携帯を弄る孤爪研磨

「…なにするのさ!
ガチで痛かったよ!」

カナリの痛みに思わず孤爪チャンに
詰め寄ると

「足元お留守なんじゃない?
てゆっか、レジ集合って言ったよね?」

ネコみたいな目が俺をチラリと見上げて睨み

「クロには荷物運んで欲しいから
すぐ戻ってって頼んだよね?
なにしてんのさ?」

低い声がなんとも言えない
威圧感を放つ
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