白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第1章 キミと俺のハジマリ
タバコに火を付けて
ため息と一緒に吐き出すと
「…あ…空き部屋…ねぇ…」
「え?クロちゃん?」
なんか嫌な返答
まさかだよね?
東京まで来て宿ナシなんて事…
「いや、部屋は腐るほどあるんだけどさ
それ以外何もないっつーか…
きれいな布団や毛布がない…
ぶっちゃけ部屋の片付けもしてない!」
宿しかなかった!
「マジ!?
こんな時間から泊まる所探すとか
地獄なんだけど!?」
「あ!赤葦の家に…」
「別の意味で地獄!
沈黙に殺される!」
キャンキャン吠えて嘆く俺に
「…しゃあねぇ、俺の部屋来るか?
清潔さだけは保証するし…」
苦い顔しつつも
申し訳なさそうに提案するクロちゃん
クロちゃんの家?
姫凪ちゃん居るんじゃ?!
ラッキー…って!
なんでだよ!
別にラッキーでも何でもないじゃん!