白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
『はい、お手伝いします
…あの、赤葦さんって勿体ないって
言われませんか?』
「…たまに?
なんの事でしょうね。
仕事の効率悪いんですかね…」
女子の視線に
完璧無視を決め込み
仕事の話しかしない
安定の仕事オタクな赤葦さんに
自分と似た空気を感じて少し笑い
妬みの視線を背中に受けながら
席に着く
まぁ、その視線も
「布施さん
コレとあとコレ…あ、コッチもか…
全員分コピー取って綴じて貰えますか?
午後の会議で使うそうなので」
『分かりました
これ、朝頼まれてた資料です
付箋入れてますから確認する様に
黒尾さんに伝えて下さい』
仕事仕事しかない
私達の会話に薄れて行くんだけど
ただ…
「ねぇ、姫凪
今度また新しくなんかしようと思うんだけどさ
面白いアイデアない?
あ、飴食べる?
はい、あーん」
コッチは危険!!
『孤爪さん。
仕事中ですから…クロ…オさんとの話は
もう終わったんですか?』