白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
赤葦さんが送った視線の先には
整った顔立ちの二人を見つめて
色めき立つ同期の女子社員達
"私が淹れますよ"オーラが半端ない
「…注目されるの嫌い
赤葦が近寄るからじゃん…
なんか、面倒くさくなって来た
応接室に居るから
適当にクロ呼んできて
チョット相談があるから
コーヒーは赤葦ので我慢する」
コーヒーをひったくる様に奪い
そそくさと応接室に逃げ込む研磨くん
「おはよう布施さん
相変わらず孤爪に懐かれて大変ですね」
『大丈夫ですよ
いつもの事ですし
それより、お茶汲みさせてしまって
スイマセンでした』
「いえ、自分のを淹れたついでですから」
そう言ってニコリと微笑む顔は
女子が騒ぐのも納得の爽やかさ
ただ彼は残念な事に
「それより仕事にかかりましょうか?
孤爪が来たって事は
また厄介な仕事が増える可能性高いですよ」
仕事オタクが過ぎるのよね