白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「ナナはコッチのが
好きだもんねー?」
太ももに這う指は
私の弱い所を知ってるかの様に
内を内を触ってくる
叫ぶ声が喘ぐ声に変わる前に
なんとか止めようと
抑え込まれた身体を必死に動かす
気付いて違うの!
「なに?
俺を拒むってなにさ?」
太ももの付け根まで
上がって来た指が
下着を引っ掛け
「こっちに聞いて欲しいなら
お望み通り聞いてあげる。
声、我慢しなよ…
出来るなら、ね?」
低い声が耳に落ち
ゆっくり下着が持ち上がる
『…めて…』
塞がれた口で枯れた喉で
声を手のひらにぶつけ
力の抜けかかった身体に
ムチを打って抵抗すると
「姫凪…ちゃん?」
及川さんの声から甘さが消え
塞がれてた手が退けられた
一気に入って来た酸素を吸い込み
『止め…て…及川…さん
ゴメンナサイ
私…戻って来る部屋…間違え…て…』
途切れ途切れに声を届ける