白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
『…鉄朗…ただいまー…』
温もりに擦り寄って広い胸に
身体を預け
違和感を覚えるまで数秒
あれ?なんか匂いが違う?
『鉄朗…?』
恐る恐る身体を揺らして
尋ねるも返事はないし
まだシッカリしない脳みそは
状況を把握出来ない
鉄朗の部屋に鉄朗が居ないなんて事
今までなかったし
嗅覚まで寝ぼけてるのかな、私。
そう判断した回路は
また温もりに身体を預ける選択をした
気のせい、だよね
そうに決まってる
『鉄朗…ぎゅー…』
必死に不安を振り切って甘えると
「ナナ…いつ来たのさ…」
予測してた声とは違う声が
頭の上に落ちて来た
なんで?誰?
ナナ?
鉄朗が浮気をしてるはずはないから
私が浮気しちゃったって事?!
あまりのショックに
一気に脳に酸素を巡らせる
ザワついた血液
チャント回って!動かして!
鉄朗じゃない人とベットに居る
この状況はなんなのよ…!
私、昨日なにしてた??