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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


『…腰、痛…い、けど
トイレ行かないと…』

まだ真っ暗な部屋の中
身体のダルさも尿意には勝てずに
ユックリ起き上がると

「…姫凪…」

暗闇の中から鉄朗の声
タイミングの良さに起こしたかと
謝ろうとした声が

『起きた?ごめ…』
「もう食えねぇ…」

可愛い寝言にかき消され
クスリと笑みが溢れる

絡み付いてた腕をそっと離し
ベットを抜け出てトイレへ
ササッと済ませて戻るはずが…

『…ヤバ…眠い…
このまま寝たら鉄朗に怒られ…る』

腰をおろすと襲って来る睡魔

カクンカクンと首を揺らしながら
出し過ぎたトイレットペーパーで
始末して外へ出るも
フラフラして壁にゴツゴツ頭をぶつけてしまう

…これ部屋戻れる?
明日会社行ける?
てゆっか痛みを感じない程眠いってなに…。

近年稀に見る疲労を抱え
意識をなんとか繋ぎ止めて
見慣れたドアを開き
布団を持ち上げてる大きな身体の横に
滑り込んだ
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