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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


けど。

『…あれ?』

身体に力が入らないし
頭の中もさっきの余韻が占拠してて

『鉄朗…早くコインパーキング…』

言葉の選択ミスにも気付けない
お花畑まっしぐら。

産まれたての仔馬の様にカクンカクンと
ベットに沈む私を見て

「はいはい。
パーキングにこんなの持って行ったら
確実にキミは犯されますカラ。
俺がしっかり洗っとく
安心して寝てなさいよ」

クスクス笑いながら抱き締める鉄朗
身体の下の冷たいシーツが引き抜かれ
サラリとしたマットレスが
火照った身体を冷やしていく

「大丈夫。
お前がチャント寝たら
歯磨きのついでに洗ってくる
…今日も可愛かった…オヤスミ姫凪」

トン、トン、と心臓の音にリンクする様に
叩かれる背中
広くて甘い匂いのする胸に
頬を寄せると鉄朗の心臓の音が
私の鼓膜を静かに揺らす

『…大好き、鉄朗…
オヤスミ…ナサ、イ』

閉じていく瞼
やっと回った唇でオヤスミを告げて
私の意識は遠退いた
このまま幸せなまんまで
朝日を迎えるハズだった
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