第1章 キミと俺のハジマリ

冷静に見えるけど

「顔赤いよ？
男に慣れてないんだ
可愛いね」

笑っちゃうほど赤い顔

『だから！
別に赤くないです！
軽い人苦手なんで！』

こういう堅い感じも
カナリ楽しくて
意地悪したくなってくる

「へぇ？俺の事苦手？
そうは見えないけど？
もしかして…俺にドキドキしてる
自分が恥ずかしいから
そんな赤い顔して怒ってるのかな？」

紙ナプキンを掴む手を留めて
空いた手で口元を拭う

そのままそれを舐め取ろとうした時

「悪いお手手は食べますよぉ？」

「う、わっ！」

指にクロちゃんの歯が立てられた

「チョット！クロちゃん！
セッターの指噛むとか
どういう神経してるのさ！！
今週末後輩の指導と
親善試合に出るのに！
岩ちゃんに怒られたら
どうしてくれるのさ？！」