白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第1章 キミと俺のハジマリ
クロちゃんの口から
指を抜いて
濡れた指を拭うように
ほっぺを抓って睨むと
「ゴメンゴメン
あんまりにも
イタズラしそうなお手手だったから
噛み付いとかなきゃって
思っちゃったんですぅ~
(それ以上したら
噛み付くだけじゃ済まないぜ?)」
ほっぺを抓る手を握って
俺だけに聞こえる様に
低い声が落とされる
「…こわっ…」
引くほど真剣なのが
伝わって来て思わず漏れる声に
『黒尾さん?及川さん?
どうかしたんですか?』
姫凪ちゃんが
心配そうに首を傾げる
「なーんもねぇよ
仲良し同士のじゃれあいだ。
それよりさァ
餌付け簡単過ぎンよ、姫凪ちゃん
唐揚げ一個でキラキラしないで下さい
可愛い笑顔が勿体ねぇから」