白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
必死に邪念を振り払い
"今日はタクシーで帰る"と
動かそうとした唇は
「…それだ!
俺らの部屋にオイカーくん寝かせて
俺らが研磨の部屋に寝れば良くね?
いくら研磨も俺や姫凪が
寝たくらいで文句言わねぇって!」
『…え?!』
ポカンと空いて
なかなか次の言葉を発する事が出来ない
「姫凪ナイス!
そうと決まれば
サッサとオイカーくん片して
夜を楽しみますかァ!」
夜を…楽しむ!?
『わ、私はダメでしょ!
それに…一緒に…寝たら…』
今の私じゃ"マテ"なんか出来ない!
あ~!もう!私のエッチ!
煩悩退散ーーー!
煩悩に占拠され
逆上せそうな顔を隠そうと背を向ける
…けど。
「んー?一緒に寝たらなんですかァ?」
鉄朗のニヤけた顔はそれを許さなくて
「一緒に寝たらどうなんの?
エッチな姫凪ちゃん?」
私の顔を覗き込んで
意地悪な目つきで声で
私の視線を釘付けにして来る