白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
孤爪研磨くん
私の一年先輩で
見た目は大人しくて紳士
…と言うか私含め
女子に全く興味が…
いや、むしろ人に興味がなさそうな人
なのに
「あの小金持ちめ…
また株で儲けたらしいぜ?
新しい仕事も順調らしいし…
家からほぼ出ないくせに
汗水垂らしてる俺より
余裕で稼ぎやがって…」
そう。
なにに手を出しても
成功してる様で
気が向いたら
何かしら鉄朗や私
そして木兎さん達の世話を焼いているらしい。
『その小金持ちのおかげで
こんな良い部屋に
格安で住めてるくせに…』
この部屋も実は
立地や間取りの割に
ワンルーム並の値段だから
二人の結婚資金も
シッカリ貯金できて
記念日には美味しいご飯や
旅行に行けてる訳で…
『とにかく研磨くんの部屋は
研磨くん仕様に仕上がり過ぎてるから
避けた方が無難じゃない?』
私からすれば恩が有り余ってるから
ヤッパリね?
嫌な気分はさせたくないと言うか…