白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
『起きる起きないじゃないの!
無理~!
一緒の部屋に泊まるとか
絶対に嫌!
タクシー捕まえて帰る!』
及川さんだからとかって
理由じゃない
及川さんであろうとなかろうと
男の人には
警戒心を通り越して
拒絶反応が出てしまう
特に
イケメンで調子の良い人には
それが強い。
荷物も持たず
部屋から飛び出そうとする私を
「おい!財布ナシで
何に乗って帰るつもりですかァ!?
てか、この状況の俺を
放置すんなー…肩壊す」
『いや…私の力なんかで
手助けになるとは思えない…
それに触るとか…』
「真面目か!そこが可愛いんだけど!
じゃなくて、とにかく!
ベッドに運ぶの手伝ってくれ
ほら、靴脱がせて…重い。」
足をプルプルさせた鉄朗が
今にも及川さんを落としそうだと
限界を訴える
「姫凪…お願い?」
あー!もう!
絶対わざとなんだけど
そんな顔されたら断れないじゃん!
鉄朗の策士!