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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


別に関わらなきゃ関わらないで
楽なはずなのに

悪い人じゃないからとか
気持ちを助けられたからとかで
緩和出来るはずない程
苦手…だったのに

なんで

『普通にしてたら
害はないと思うから…
気使わなくても…」

こんな事言っちゃったんだろう

「姫凪?」

『…仕事!だから!
それだけだよ!
好き嫌いで仕事選んじゃ駄目だし
今回は裏方だけど鉄朗と
一緒に頑張れるんだから
手伝わせて…ね!』

不思議そうに私を見る鉄朗に
これでもかってくらい笑いかけ
家の前で止まったから
降りようとした刹那

『きゃ…!?』

腕が引かれ座席に縫い付けられた身体

「…チョットだけだから
姫凪、我慢してくれ」

ギッと軋む音が小さく響き
シートが一瞬でフラットになり
鉄朗が覆い被さる形になる

まさか車で!?

ビクリと震える身体
胸に掛かる手に
形を変えられる感触に
私の意識は
昨日の夜へと引き戻された
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