白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
『何言ってるの?
そんな事できるわけない…』
だって及川さんがあんな事した
キッカケを作ったのは
部屋を間違えた私なのに
「なんでさ?
別に俺は良いよ
ワルモノになるくらい
どうって事ないし」
なんでそんな事が言えるの?
シレッと言い放つ言葉の意味が
理解出来ない
だって、そこまでされる仲じゃないし
私を庇う理由なんて
ないじゃない?
「ねぇ?そうしなよ?
クロちゃんと仲良しなままで
居たいんでしょ?
今の関係崩したくないんだよね?
それなら選択肢は多くないよ
あの夜の真実を完全に隠し通すか
小さなウソだけついて軌道修正するか…
選びなよ、姫凪ちゃん。
まぁ、隠し通す選択肢は
無謀だと思うよ、及川さんは。」
セットされた髪の毛の先を弄りながら
コンコンとタバコの箱を鳴らして
私の目を覗く