白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
また昨日みたいに…!?
鉄朗がすぐソコに居るのに!!
突然の密着に
混乱してジタバタする私に
「俺に抱かれてるからジタバタしてるの?
それともあの事を思い出してるから?」
及川さんの低い声が響く
『思い出させてるのは
そっちじゃない…!
止めてよ…イヤだ…!』
「…そうだよ、わざとやってる
でも、さ。
そんな簡単に思い出せる程度の
忘れ方でクロちゃんを誤魔化し切れると
思ってるの?
クロちゃんまで拒否るつもり?
それって秘密なんかより
クロちゃんを傷付けるんじゃないかな」
『…鉄朗になら…大丈夫…』
口をつく言葉は上辺だけ
きっと実行出来ない
それは朝の少しの時間で
実感してしまった
それを見抜くかの様に
「無理だね」
冷たく言い放つ
無理じゃ…なくない。
鉄朗の事も身体が拒否してしまった
こんな事じゃバレるなんて
安易に想像ついてしまう