白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
ダメだ。
グイグイなんか
可愛くなんか…
『なんですか?』
「なんでもない
ほかに欲しいものは?」
『大丈夫です。
じゃあ、私はココで』
「そっか…分かった」
『さようなら!』
なれないよ。
お弁当を受け取って
足早にコンビニを出て
駅に向かって歩く
もしかして
追いかけてくれるかも、とか
思ったけど…
私の背中に当たるのは
冷たい夜の風ばかり。
好きだけど
望みの薄いこの恋を
育て続けて良いのか
悩んではみても
『…好き…』
想いは募るばかり。
クロに押された背中
貫きたい想い
進む理由なんて
余りあるのに
体だけ駄々を捏ねてる
こんな時
木兎さんみたいな人が居たら
とか、他力本願な事を思ってるから
「姫凪、一人?」
『研磨、くん!?』
「なに?おれじゃ嫌みたいな言い方」
一番相談しにくい人と
会うのだろうか。