白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
クスリと笑って
クロから顔を背ける
どうもしなくない。
辛い…辛いよ…
「…そうか。
じゃあ、お疲れ…」
『うん…』
顔を見ないまま歩き出し
更衣室で蹲る
愛されてるとか
何で勘違いしたんだろ
そんなわけないじゃない
及川さんが私なんか…
色々あった事も
きっと及川さんの気まぐれで
つまらない私に
もう興味がなくなったんだ。
必死に芽ばえた
恋心の蓋を抑えつけようとするのに
一度芽吹いたら厄介で
抑えつければつける程
『及川さん?』
引き寄せてしまう。
愛しいアナタを。
エレベーターに向かう私の先には
同じ方向へ歩く大きな背中
「あぁ、今から帰るの?」
振り返った及川さんが足を止める
『及川さん…は…帰らないですよね?』
「帰れない、だね。
クロちゃんも赤葦くんも
真面目過ぎ〜…」
『じゃあ、どこへ?』
「長くなりそうだから
栄養ドリンクでも
買いに行こうと思って
後、タバコも切れちゃった」
『…そう、ですか』