白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
及川さんの言葉が胸にグサリと
突き刺さる
及川さんは私と二人きりじゃないって
思ったから
昨日の夜
あんなにアッサリとオッケーしたんだ
最初から
二人になるつもり
無かったのに
私だけ一人浮かれて
バカみたい…
『私、適当に抜けて追加
買って来ます
赤葦さんも居るし
全部で四人が食べられたら
良いですよね
じゃあ、私は仕事に戻ります』
泣きそうな気持ちを
グッと我慢して
会議室を後にする
『強引に行かなくて
良かったじゃない…
もっと傷付く所だった…』
立ち上げる前のパソコンに映る
情けない顔に
小さく呟いて
大きく膨らませるはずだった
恋心に小さな穴を開けた
「布施さん
もう大丈夫ですよ
ここからは俺達で何とかしますから」
定時を大きく回った時計を見て
赤葦さんが私の肩を叩く
『はい、じゃあコレだけ
整理したら帰りますね
皆さんまだ残られるなら
お茶淹れてかえりましょうか?』